婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
 それに荷物を持って歩いて往復だなんて、気が遠くなる。
「それは心配する必要はない」
 そう言ったギデオンの視線はセリオに向いた。
「セリオ、頼まれてくれるな?」
「俺?」
 急に話を振られたセリオは、あたふたし始める。
「おまえ以外に頼める者はいないだろう? それに一度ここまで来たのだから、俺がいなくてもここには来ることができるだろう? それとも、一日ですぐに道を忘れると?」
「い、いえ……」
「セリオさん。お願いします。修理といっても、そんなに時間はかからないですから。魔石をちょいちょいと交換するだけで、終わります。ただ、動作確認と安全性の確認だけはしますけど……」
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