婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「でも……向こうだって、すぐに連絡とれる状況ではないかもしれませんし……。こんな時間に連絡をいれたら、迷惑かもしれませんし……」
 そう思ったら、いつでも使える『でんわ』を使うのが億劫になってしまったのだ。
「ギデオン様のように、いつの何時にお互いに『でんわ』を使うって決めておけば、悩むことなく使えるんだろうとは思うのですが……」
「なるほどね。いつでも手軽に連絡ができるようになったけれど、相手の都合を考えてしまうと逆に連絡ができない。それが今の『でんわ』の課題ってわけね」
「もちろん、今すぐ連絡する必要がある場合もあるかと思います。緊急を要する場合、例えば、川の橋が流されたとか。怪我人が出たとか?」
 うんうんと頷きながら話を聞いていたアビーだが、「あ」と声をあげる。
「じゃ、手紙のように読むのはいつでもどうぞってことで、声を残していつでも聞いてねっていう機能をつければいいんじゃない?」
 アビーが言った内容は、留守番電話機能だ。
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