婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「そうすれば、相手も忙しければ『でんわ』を無視すればいいしね。かけた人は、相手とつながらなかったら、言いたいことだけ伝えておけばいいし」
「アビーさん。それ、素晴らしいですね。早速、実装したい……」
「駄目よ。私たちにはまだ、これだけの『でんわ』を作る作業が残っているんだから」
バンッとアビーが見せつけたのは『でんわ』が欲しい人たちのリストだ。まだ何十人も残っている。そしてこの『でんわ』はかける側と受け取る側の一台ずつ欲しいタイプのものなので、実際に作るのはこの倍。
「ほら、一日四台は作る。それが私たちに課せられたノルマよ。弱音は吐かない」
目の前の現実が、セリオと別れた寂しさを紛らわせてくれるようだった。
アビーの言葉に従い、エステルは毎日せっせと『でんわ』と作っていた。それでも十日もあれば、残りの希望者すべてに行き渡る。
「これで全部ね」
最後の一台を作り終え「終わった」と二人で顔を見合わせた。満足感と徒労感が一気に襲い掛かってくる。
「最後は……外城のジャックさんのとこね」
「アビーさん。それ、素晴らしいですね。早速、実装したい……」
「駄目よ。私たちにはまだ、これだけの『でんわ』を作る作業が残っているんだから」
バンッとアビーが見せつけたのは『でんわ』が欲しい人たちのリストだ。まだ何十人も残っている。そしてこの『でんわ』はかける側と受け取る側の一台ずつ欲しいタイプのものなので、実際に作るのはこの倍。
「ほら、一日四台は作る。それが私たちに課せられたノルマよ。弱音は吐かない」
目の前の現実が、セリオと別れた寂しさを紛らわせてくれるようだった。
アビーの言葉に従い、エステルは毎日せっせと『でんわ』と作っていた。それでも十日もあれば、残りの希望者すべてに行き渡る。
「これで全部ね」
最後の一台を作り終え「終わった」と二人で顔を見合わせた。満足感と徒労感が一気に襲い掛かってくる。
「最後は……外城のジャックさんのとこね」