婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
その日の晩餐の時間、エステルは思い切ってギデオンに尋ねてみた。
「ギデオン様。今日でみんなから依頼のあった『でんわ』を作り終えました。ですが、それを調べている見慣れぬ者がいると聞いたのですが……」
ナイフを動かすギデオンの手が、ひくっと不自然に止まる。しかし、すぐに何ごともなかったかのように肉を切り、それを口に運んだ。
さらにワインを一口飲んでから、ギデオンが口を開く。
「ああ。最近、そういった話をよく聞く」
「私は、知りませんでした……」
「おまえはアビーと一緒に引きこもっていたからな。それに魔導具製作で忙しくしていただろう? 余計な心配をかけたくなかった」
ギデオンの言うことも一理ある。見慣れぬ誰かが『でんわ』に探りを入れているなんて言われたら、エステルだって気が気ではなかっただろう。
技術を盗まれるのか、とか。部品が盗まれるのか、とか。それともエステルやアビーを脅して作り方を聞き出すのか、とか。
「ギデオン様。今日でみんなから依頼のあった『でんわ』を作り終えました。ですが、それを調べている見慣れぬ者がいると聞いたのですが……」
ナイフを動かすギデオンの手が、ひくっと不自然に止まる。しかし、すぐに何ごともなかったかのように肉を切り、それを口に運んだ。
さらにワインを一口飲んでから、ギデオンが口を開く。
「ああ。最近、そういった話をよく聞く」
「私は、知りませんでした……」
「おまえはアビーと一緒に引きこもっていたからな。それに魔導具製作で忙しくしていただろう? 余計な心配をかけたくなかった」
ギデオンの言うことも一理ある。見慣れぬ誰かが『でんわ』に探りを入れているなんて言われたら、エステルだって気が気ではなかっただろう。
技術を盗まれるのか、とか。部品が盗まれるのか、とか。それともエステルやアビーを脅して作り方を聞き出すのか、とか。