婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「殿下の心配はもっともです。そのためにも、私は娘が有している技術を把握する必要がある。父として、技師長として」
 エステルを守るためにも、エステルの能力を知っておくのは必要かもしれない。何が狙われ、何は問題ないのか、それを見極める必要もあるだろう。というのも、危ない、危険、狙われると言って、彼女の魔導具を狭い世界に閉じ込めておくのは、セドリックも望んでいないからだ。
「侯爵、これを預ける。だが、一つだけ急いで決めてもらいたいことがある」
「なんでしょう?」
「ギデオンとも話をした。魔導具流通のための法規制だ」
 ヘインズ侯爵の目も鋭くなる。
「こちらの技術が不用意に他国に利用されないように。他の輸出品と同じように管理してほしい」
「それは魔導具そのもの。それとも技術……」
「両方だな。例えば、設計書や回路図が他国に流れても、問題になるだろう? 現品が流れても、そこから侯爵のように分解して技術を盗む者もいる」
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