婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
セドリックがジュリアンと腕を組んでヘインズ侯爵の研究室に入れば、侯爵の呼吸が一瞬、止まったように見えた。
「殿下、どうぞこちらに……」
抑揚のない声でそう言ったモートンは、怒っているのか呆れているのかよくわからない。
先日もとおされた部屋に入った瞬間、セドリックはジュリアンを突き放した。
「ひどい、セディ」
「ひどくない。離れろ。ここにはヘインズ侯爵以外、誰もこない。そして侯爵はおまえの正体を知っている」
「侯爵が知っていても、誰か他にもやってくるかもしれないでしょう? ねぇ? お願い。オレの命を守ると思って」
ジュリアンなのかジュリーなのかわからぬ口調で、セドリックの腕に絡みついてきたため、それを遠慮なく突き放す。
その様子をみていたモートンも、笑いをこらえることができなかったようだ。だが、すぐに落ち着きを取り戻し、テーブルの上に魔道具を並べた。
「これが、セドリック殿下からお借りした『でんわ』です」
「すげっ。これがあの『でんわ』? エステル嬢が開発したっていう……これで遠くにいる人物と話ができる……?」
「殿下、どうぞこちらに……」
抑揚のない声でそう言ったモートンは、怒っているのか呆れているのかよくわからない。
先日もとおされた部屋に入った瞬間、セドリックはジュリアンを突き放した。
「ひどい、セディ」
「ひどくない。離れろ。ここにはヘインズ侯爵以外、誰もこない。そして侯爵はおまえの正体を知っている」
「侯爵が知っていても、誰か他にもやってくるかもしれないでしょう? ねぇ? お願い。オレの命を守ると思って」
ジュリアンなのかジュリーなのかわからぬ口調で、セドリックの腕に絡みついてきたため、それを遠慮なく突き放す。
その様子をみていたモートンも、笑いをこらえることができなかったようだ。だが、すぐに落ち着きを取り戻し、テーブルの上に魔道具を並べた。
「これが、セドリック殿下からお借りした『でんわ』です」
「すげっ。これがあの『でんわ』? エステル嬢が開発したっていう……これで遠くにいる人物と話ができる……?」