【電子書籍化】婚約破棄されたので辺境で新生活を満喫します。なぜか、元婚約者(王太子殿下)が追いかけてきたのですが?
「なになに? 新しい魔導具って」
「アビーさん。よだれの跡がついています」
「ああ、ごめん」
 アビーは慌てて手の甲で口をぬぐう。
「それで、新しい魔導具って何? もう、エステルの考える新しい魔導具は、画期的なのよ。例の『でんわ』もびっくりしたけど……」
 アビーが言うように必要分の『こたつ』を作ったエステルは、『でんわ』の開発に着手していた。しかしこれは特定の相手と魔力を通じて会話させる。その相手の魔力を検知する方法に苦戦しているところだった。そのため、まずは不特定多数との通話ではなく、確実に一人の相手と通話できるようにしようと、段階を追って作っているところだが、それも少し行き詰まっていた。
「『でんわ』はまだまだ改良しなければなりませんから。それは継続しつつ……それよりも、雪かき魔導具! 雪かき魔導具を作りましょう」
「は?」
 アビーは目を丸くし、口もぽかんと開ける。だがすぐに真顔に戻った。
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