初恋のやり直し ~過去に私をふった彼からの猛アタック~
 そこから先は完全に無言になってしまい、彼とは一言も交わさないまま席についた。

 リーダーからもらったばかりの資料に目を通し、三週間と納期が短い中でどうやって進めて行こうか頭を悩ませる。
 企画書を作るにあたり、まずは資料の読み込みから始まり、企画の骨子を練って、必要であればリサーチを行う。企画の骨組みができたあとはデザイナーに掛け合い、イメージのラフを作ってもらいつつ、資料の中身を細かく作っていくのが私なりの進め方だった。

 いつもなら自分たちでリサーチをやったり外注を捕まえたりするため、その時点で時間がかかってしまうけれど、白桃社には専用の部署がある。デザイナーもいるため、手配の段取りが少ないだけでもありがたかった。

 また、一口に広告といっても、ただデザインを作ればいいだけではなく、いろんな形で展開していく場合がある。
 看板、CM、WEBなど多岐に渡る展開をする場合、それに見合った会社を見つけ、見積もりを取る必要があった。
 だけど、そこはさすが白桃社というべきか、広告大手なだけあって、そういったことに長けている部署もあるそうだ。

 ――これなら残り三週間でなんとかなるかもしれない。

 私は気合を入れて髪を結ぶと、資料の隅から隅まで目を通した。

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