敵国の王に囚われた皇女は、愛に溺れる
振り返ったエドリックの瞳が、一瞬揺れた。

ゆっくりと歩み寄りながらも、その表情は戸惑いを隠せない。

「お願いだ。明日、おまえが無事だという保証はなにもない。」

「……俺は死にません。」

迷いのない声。しかし、その自信が根拠のない虚勢に聞こえてしまう。

「だが……」

言葉の続きを遮るように、私は彼の鎧越しに腕を回した。

「側で感じていたいんだ。」

短く息を呑む音が耳元で響き、次の瞬間、彼の手が私の頬を包む。

そして――唇が触れた。

焚き火の温もりよりも熱いキスが、私の不安を溶かし、胸の奥の鼓動を速めていく。

「……分かりました。寝付くまで一緒にいましょう。」

エドリックの声は、どこか覚悟を含んでいた。

互いに甲冑を外し、下着の上に軽い衣だけを纏う。

金属の擦れる音が消えると、戦場の冷たい空気が一層近く感じられた。
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