敵国の王に囚われた皇女は、愛に溺れる
どちらからともなく、簡素なベッドに身を横たえる。

エドリックが私を引き寄せ、腕枕をしてくれる。

その体温と規則正しい呼吸が、心の緊張を少しだけ解きほぐした。

「……エドリック。」

彼の側は、不思議と落ち着く。

「おまえは正直、私をどう思っている?」

一瞬、彼の身体がこわばるのを感じた。

暗がりの中、ゴクリと唾を飲み込む音がはっきりと聞こえる。

「父は……おまえの功績を見て、私の伴侶に相応しいと判断した。」

淡々とした答えの奥に、何か言い足りない感情が隠れている気がした。

私はその続きを待ったが、彼はただ腕の力をわずかに強めるだけだった。

「……俺は、君に惚れているんだ。」

低く押し殺した声に、私は瞬きを忘れる。

「国王から結婚を言われた時、自分の気持ちが報われたと思った。」

「エドリック……?」

問い返す間もなく、彼の唇が私の唇を深く塞いだ。
< 20 / 27 >

この作品をシェア

pagetop