敵国の王に囚われた皇女は、愛に溺れる
横を見ると、彼はすでに目を覚ましていて、穏やかな笑みを浮かべていた。

「アレクサンドラ、おはよう。」

「おはよう。」

そう言葉を交わせる距離と温もりが、何よりも愛おしかった。

誰よりも早く目を覚ました朝――その瞬間、私たちはもう、ただの婚約者ではなく、心を通わせた戦友でもあった。

私はそっと彼の腕の中から抜け出し、甲冑を身に着ける。

冷たい金属の感触に、戦の空気が胸に広がる。

「今日こそ、勝利を持ち帰ろう。」

私の言葉に、エドリックは真剣な眼差しでうなずいた。

その頷きが、これから訪れる戦場での覚悟を物語っていた。

前線にはエドリックが行くことになった。

私はテントで待つことになった。

「エドリック……気を付けて。」

まだ昨日の余韻が体に残っている。

私は初めて彼を受け入れたのだ。
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