初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「ダニエル?」

そこにいたのは、半年前に自分を殺そうとした元婚約者、ダニエル・リーグだった。

硬い表情をしていたが、シェリアの「ダニエル?」という声にはっとしたようにその場にばっと膝をついた。

「シェリア。どうか僕を殴ってくれ」

「ダニエル……」

ぎゅっと握っていたデュランダルの手をゆっくりと力を抜いていく。
そして理解した。
自分を殺しにきたのはダニエルではなかったのだと。

それだけでほっとして泣けてきた。

結局裏切ったのは兄のゼノアと妹のアリアだったのだ。
血のつながった兄妹こそが自分を殺そうとしたのであって、ダニエルは何もそれにはかんでいないのだ。

ぽろぽろと涙が瞳からあふれた。

デュランダルはそんなシェリアを静かに見守っていた。

「バカなのはわたしとそしてあなただった。そういうことね」

「シェリア」

泣きながらそういうかつての婚約者をダニエルは見上げた。
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