初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
「いえ、助けてくれようとしてくださったことがうれしいと思っただけです」

そう言うとやはり不思議そうにシェリアを見ている。

「その…婚約者にも兄にも殺されるような女ですから。見ず知らずの人にそれでも助けてもらえたのだと思うと…うれしくて」

正直に言ったところデュランダルは少し視線をそらせた。

「当り前だ。俺は敵とみなした者しか攻撃しない。君は敵ではなかった。だから助けた。それだけだ」

「ありがとうございます」

素直にシェリアは深くお辞儀をした。

「連れて行ってもらえませんか?」

どこにも行くところがないわたしを受け入れてくれるとしたらこの人しかいない。

「わたしは死んだみたいですしもうオルベリアに未練はありません。今まで国政を担っておりましたので、キルギアでも力になれると思いますよ。何でも仕事をします。もちろん秘書として国政の手助けもできますが、雑用でも侍女でもなんでも。ですから…」

縋りつくようだが、本当に行くところがない。
このままだと野垂れ死ぬしかないだろう。
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