初夜に暗殺された王女は魔獣の国で再起する~魔獣の国の王の求愛がとまりません
自分を思って言ってくれているのだ。
だからラインハルトは間違っていない。

「ラインハルト。今日も遅くまで悪かったな。夫人にもよろしく伝えてくれ」

「は、はいっ!」

ラインハルトが帰るとデュランダルは執務室でその長い足を伸ばし、ふうっと一息ついた。

何から何までやることも考えることもいっぱいだ。

魔獣狩りと東の国境の戦争に明け暮れていた自分の魔導騎士としての人生に突然終止符を打たなければならなくなったのはちょうど一年前、東の国境を攻めてきたカルザス王国に勝利した瞬間だった。

その一年前に公国から王国となったキルギアの初代国王である兄が死んだという報せが届いたのだ。

国王と言ってもまだ王国になったばかりの不安定な小さな国。
国王がずっと城に詰めていられるほどの安定感はない。
今回も兄はナダルとの協議のために王都を開けていた。

ナダルが交渉を求めてきたからだ。
ナダルの北部に最近魔獣が出没し始めたため、魔獣狩りを任せる代わりにナダルのフォシル燃料の流通量を増やすという協議だ。

キルギアは最近帝国から抜けた属国を何国か領土として吸収しておりフォシル燃料はいくらあってもありすぎることはないのだ。

だからと信用したのが運の尽きだった。
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