涙のあとに咲く約束
「藤堂さん、お子さんの絵本のことなんですけど、私の友達に書店員をしている子がいるんです。お勧めの児童書とか聞いてみるので、よかったら連絡先、交換しませんか?」
私の唐突な提案に、藤堂さんは困惑しているようだ。
「実は、私も本が大好きなんです。小さい頃から本に慣れ親しむって、とてもいい習慣だと思います。本が好きな子って、想像力が豊かだし、優しい子に育つと思うんです。その才能を伸ばしてあげるためにも……」
私の言わんとすることを理解してもらえたようだ。
藤堂さんはポケットの中からスマホを取り出すと、通話アプリを起動させる。私はこうして無事に藤堂さんと連絡先を交換することができた。
藤堂さんのスマホの待ち受け画面は、いつも一緒にいるあの男の子だ。
「お子さん、かわいらしいですね」
思わず口をついて出た言葉に、藤堂さんは一瞬視線を伏せた。
「……ありがとうございます」
それだけ言って、スマホを片付けるとまたパソコンの画面に視線を戻す。
会話はそこで途切れたけれど、なんとなくそれで充分だった。
この距離感を保ちながら、藤堂さんのことを少しずつ知っていければいい。そんな気がした。
私の唐突な提案に、藤堂さんは困惑しているようだ。
「実は、私も本が大好きなんです。小さい頃から本に慣れ親しむって、とてもいい習慣だと思います。本が好きな子って、想像力が豊かだし、優しい子に育つと思うんです。その才能を伸ばしてあげるためにも……」
私の言わんとすることを理解してもらえたようだ。
藤堂さんはポケットの中からスマホを取り出すと、通話アプリを起動させる。私はこうして無事に藤堂さんと連絡先を交換することができた。
藤堂さんのスマホの待ち受け画面は、いつも一緒にいるあの男の子だ。
「お子さん、かわいらしいですね」
思わず口をついて出た言葉に、藤堂さんは一瞬視線を伏せた。
「……ありがとうございます」
それだけ言って、スマホを片付けるとまたパソコンの画面に視線を戻す。
会話はそこで途切れたけれど、なんとなくそれで充分だった。
この距離感を保ちながら、藤堂さんのことを少しずつ知っていければいい。そんな気がした。