仏の顔も三度までですわ!愛人と夫のツケ、すべて返していただきます
「あなたは形式上母親のふりをしなければならないだけってことをよく覚えておいてね。間違っても母親面しないように」
「子どもたちの母親がシェリーナ様であることを、重々承知しております…」
母親面ってなに?
私はミラーネとリフィールにできる限り母親として愛情を注いできた。
親に愛されないことの辛さを知っていたから。
シェリーナが母親としての愛を注げないのだから、私がやろうと思った。
それは母親面なの?
頭の中で疑問と反発心がグルグル回っていたけど、すべてを飲み込んだ。
何か言えば、シェリーナもデルバートも激高するだろう。
「わかっていればいいわ。さっさとここからいなくなってちょうだい」
なんで私がここまで粗末に扱われなければならないんだろう。
そう思ったけど、面倒事が嫌すぎて、私は頭を下げてから部屋を出た。
離れに戻りながら、自分の感情の整理を始めた。
私、また赤ちゃん育てるのがすごく楽しみだったんだなぁ。
でも、本当の母親に育てられた方が、ランドリックも幸せかもしれない。
だとしたら、ミラーネとリフィールは幸せじゃないのかな?
「そんなことない」
私は思わずつぶやいていた。
彼女たちが幸福を感じられるように願って今まで頑張ってきたんだもの。
ミラーネもリフィールも笑顔いっぱい過ごしてきた。
ミラーネとリフィールにたくさんの笑顔を向けてくれる人たちができた。
血のつながりだけが親子の幸せを保証するものじゃないはず。
そうやって自分を励まさなければ、今日だけは立ち直れそうになかった。