星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「うわあっ! きれい!」

まるで夕日を映し込んだようなシーグラスに、わたしの心臓が早鐘を打つ。

「オレンジ色のシーグラス、絶対に見つけたいな」

あれこれ考え込まず、ただやりたいことを考えた時、その言葉しか浮かばなかった。

「砂浜を探そう。その辺りで見つかったみたいだ」

周防くんは意気揚々とスマホを見せて、砂浜で発見されたことを伝える。

「そうなんだね。よし、頑張って探すぞ!」

わたしは張り切って、シーグラス探しを再開した。
オレンジ色のシーグラスを探して、秋の海岸を進んでいく。
潮風を頬に浴び、足元の砂の感触を楽しむ。
澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。
それだけで、心が満たされた。

「…………」

わたしと周防くんは砂浜を無我夢中で探す。
言葉はない。
それでも、わたしたちの心は通じ合っていると感じた。

ガヴィット星人さんを救った、あの日のように――。

太陽が、水平線の向こうへ落ちていく。
波は名残惜しそうに、遠く鳴り響いていた。

「あっ……!」

石を探すわたしの目に、ぬれた砂の上できらりと光る何かが入る。
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