星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「日和ちゃんは宇宙空港のこと、どこまで知っているかな?」
「知っているも何も、空港に来たのは初めてです」

宇宙空港ってなんだろう。
わたしは疑問符を浮かべる。

「だったら、まずは空港の説明をするわね。空港はその名のとおり、空の港。空の玄関口。飛行機が飛んだり、離陸したりする場所なの」
「ちこうきー」
「そう、飛行機よ」

千彰くんのお母さんは無邪気な千彰くんを抱き上げて、ひざの上に乗せた。

「宇宙空港は宇宙の港。宇宙の玄関口。宇宙船が飛んだり、離陸したりする場所なの」
「えっ? 宇宙の玄関口……!」

当たり前のように言われた言葉に面食らう。

「それって、この空港から宇宙に行けるんですか?」
「そう。この宇宙空港から宇宙に行けるの」
「宇宙へ……!」

わたしは思わず飛び上がりそうになった。
空港は、いろいろな国の人たちが集まる場所。
だったら宇宙空港は、いろいろな宇宙人さんたちが集まる場所ってことになる。
宇宙空港は、宇宙とつながっているんだ……って思うと不思議な感じがしてきた。
そこで、はたと気づく。

「あっ……。星おこしって、もしかして……」

言いかけたわたしの声を、千彰くんのお母さんの声が追い抜いた。

「ええ。宇宙人さんに向けての地球おこしも、かねているの」
「宇宙人さんに向けて……」

はっとして、視線が千彰くんのお母さんの声を追いかけていく。
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