星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
「星に戻っても、新たな生命体が生まれるまではひとりぼっちだ。だったら……たとえ、余命がわずかでも、このまま、人間として生きた方がいい」
怖い、と。
途方もない長い時間、ひとりぼっちになってしまうことが。
恐ろしいほどの絶望と寂しさ。
わたしは、その声音からひしひしと感じた。
「それに、僕は人間になりたいと願ったんだ。――人間になることを」
最期まで人間でいられるなら、今までの苦しみが一瞬で報われる。
そんな眼差しで、サイカくんはわたしを見ていた。
「……僕は星なのに、星の住民たちのことより、自分のわがままを優先してしまった。本来、星がそう願うのはダメだったのに……」
「ううん!」
サイカくんのためらいに、わたしは全力で首をぶんぶんと横に振った。
「そんなことない。星が、人間に生まれ変わってもいいと思う。だって生きていたら、笑える日がくる。だから、つらい時は弱音をはいてもいいよ。泣いて笑って、怒って傷つきながらも、前に進んでいけば、必ず幸せにめぐりあえるから」
「……幸せに」
きっと置いて行かれる悲しさも。
それを追い求めてしまう苦しさも。
サイカくんはよく分かっているのだと思うから。
「今、サイカくんにあるものは、サイカくんのものだよ! だから、死んだらダメ!」
わたしはきっぱりと断言した。
「星おこしの攻略本には、地球や他の星たちの攻略方法が載っている。その情報を参考にすれば、きっと『星が本当の意味で、人間に生まれ変われる方法』が見つかるよ!」
本音を認めるように、わたしは想いを口にする。
「だから、待ってて! 必ず、見つけ出すから! サイカくんの望む道は絶対に、宇宙の未来の先でつながっているはずだから!」
「日和さん、ありがとう……」
サイカくんはそう言って、噛みしめるように優しく微笑んだ。
それはまるで、すき通るような、満ち足りた笑顔で。
だけど……どこか泣きそうにゆがんでいたんだ。
怖い、と。
途方もない長い時間、ひとりぼっちになってしまうことが。
恐ろしいほどの絶望と寂しさ。
わたしは、その声音からひしひしと感じた。
「それに、僕は人間になりたいと願ったんだ。――人間になることを」
最期まで人間でいられるなら、今までの苦しみが一瞬で報われる。
そんな眼差しで、サイカくんはわたしを見ていた。
「……僕は星なのに、星の住民たちのことより、自分のわがままを優先してしまった。本来、星がそう願うのはダメだったのに……」
「ううん!」
サイカくんのためらいに、わたしは全力で首をぶんぶんと横に振った。
「そんなことない。星が、人間に生まれ変わってもいいと思う。だって生きていたら、笑える日がくる。だから、つらい時は弱音をはいてもいいよ。泣いて笑って、怒って傷つきながらも、前に進んでいけば、必ず幸せにめぐりあえるから」
「……幸せに」
きっと置いて行かれる悲しさも。
それを追い求めてしまう苦しさも。
サイカくんはよく分かっているのだと思うから。
「今、サイカくんにあるものは、サイカくんのものだよ! だから、死んだらダメ!」
わたしはきっぱりと断言した。
「星おこしの攻略本には、地球や他の星たちの攻略方法が載っている。その情報を参考にすれば、きっと『星が本当の意味で、人間に生まれ変われる方法』が見つかるよ!」
本音を認めるように、わたしは想いを口にする。
「だから、待ってて! 必ず、見つけ出すから! サイカくんの望む道は絶対に、宇宙の未来の先でつながっているはずだから!」
「日和さん、ありがとう……」
サイカくんはそう言って、噛みしめるように優しく微笑んだ。
それはまるで、すき通るような、満ち足りた笑顔で。
だけど……どこか泣きそうにゆがんでいたんだ。