星を救いたいわたしと、かりそめのあなたたち
(それに甘い香りの正体って……葉?)
見上げた大きな木を埋めつくすのは、深い緑にそまった葉。
あざやかな葉が、わたしのそばに落ちて、響いて、広がっていく。
まるで、夜空に咲く花火のようだった。
「わあっ……きれい……!」
感動したわたしは思わず、木に触れようとしたけれど。
「ダメだ! 触るな!」
突如、男の子にぐいっと引き止められてしまう。
その瞬間、わたしの腕にからみつこうとしたのは太い枝。
「ひいっ!」
わたしは思わず、悲鳴を上げる。
そう――わたしに襲いかかろうとしたのは、目の前の大きな木だった。
しかも、それが自身の太い根を足のようにうごめかせながら、津波のようにこちらへと押し寄せてくる。
「ここから逃げよう!」
逃げるって、どこに。
そう疑問を投げかけようとした時には、もう手首をつかまれていた。
そのまま、男の子に引っぱられるように駆け出していく。
どこに行くんだろう?
だけど、つかまれた手を振りほどくことなんて到底できなくて。
手首にふれる彼の体温を手放したくはないと思ってしまって。
ただ、風を切って、わたしたちは駆けていった。
今、何が起きているのかな。
何にも分からない。
頭が真っ白になって、なかなか状況に追いつけない。
だけど、わたしを置いてきぼりにしたまま、大きな木は足を生やして追いかけていく。
見上げた大きな木を埋めつくすのは、深い緑にそまった葉。
あざやかな葉が、わたしのそばに落ちて、響いて、広がっていく。
まるで、夜空に咲く花火のようだった。
「わあっ……きれい……!」
感動したわたしは思わず、木に触れようとしたけれど。
「ダメだ! 触るな!」
突如、男の子にぐいっと引き止められてしまう。
その瞬間、わたしの腕にからみつこうとしたのは太い枝。
「ひいっ!」
わたしは思わず、悲鳴を上げる。
そう――わたしに襲いかかろうとしたのは、目の前の大きな木だった。
しかも、それが自身の太い根を足のようにうごめかせながら、津波のようにこちらへと押し寄せてくる。
「ここから逃げよう!」
逃げるって、どこに。
そう疑問を投げかけようとした時には、もう手首をつかまれていた。
そのまま、男の子に引っぱられるように駆け出していく。
どこに行くんだろう?
だけど、つかまれた手を振りほどくことなんて到底できなくて。
手首にふれる彼の体温を手放したくはないと思ってしまって。
ただ、風を切って、わたしたちは駆けていった。
今、何が起きているのかな。
何にも分からない。
頭が真っ白になって、なかなか状況に追いつけない。
だけど、わたしを置いてきぼりにしたまま、大きな木は足を生やして追いかけていく。