政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「もし頂けるのなら……一生、大切に守ります。」

その言葉は、重く、真っ直ぐで。

鼓動が止まらない。

胸の奥が、じんわりと熱くなるのを感じた。

「そう言っているが……リフィア。どうする?」

父王の問いかけに、私は一瞬だけ目を伏せた。

もう――逃げられない。

この場の空気が、それを告げていた。

「……お父様の命令なら、従います。」

自分の声が、やけに遠くに聞こえる。

「そうか。」

父王は私の手を取り、そのままラディウス王の前へと引き出した。

「娘を……宜しく頼む。」

「お父様!」

思わず声を上げたけれど、その手は離されなかった。

――この時、私は自分の運命を呪った。

「リフィアよ。おまえを見初めた男に嫁ぐのが……女の幸せだ。」

父王の言葉が、胸に深く沈み込んでいった。
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