政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
父王とラディウス王が並んで座り、私はその横――ラディウス王の隣に座らされた。

「ご酒は召しあがるかな。」

低く響く声に、私は首を横に振った。

「いいえ。」

「では、何か料理をよそって差し上げよう。」

ラディウス王が私の皿へ手を伸ばした、その時――

「いえ、構わないでください。」

彼の手が空中で止まる。

「……?」

「自分でできますので。」

一瞬、ラディウス王の瞳がわずかに細められた。

それは拒絶のせいか、それとも別の感情か――私にはわからなかった。

「少し、失礼します。」

私は立ち上がり、足早にダイニングを抜け出した。

廊下に出ると、足が止まった。

あんな男の妻になるなんて……。

きっと優しいのは今だけ。

そのうち乱暴に扱われて、心も体も壊れて―― 一生を終えるのだわ。
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