政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「……心の準備はいいか。」

その瞳に射抜かれ、逃げ道がないと悟った私は、小さく息を吸い込む。

「はい。」

そう答えるしかなかった。

彼はわずかに頷き、真っ直ぐ私を見つめながら言葉を紡いだ。

「私、ラディウス・アシュフォードは、リフィア・エルディス姫を妻とし、いかなる時も敬い、支え、一生愛しぬくことを誓います。」

低く響く声は、大広間の壁にまで届くようだった。

その真剣さと温かさに、私は思わず胸を締めつけられる。

「では、新婦。」

祭司の視線が私に向けられる。

息を呑む音が、周囲の静けさの中でやけに大きく響いた。

私は震える唇を、ゆっくりと開こうとした――。

「私、リフィア・エルディスはラディウス……」

「アシュフォードだ。」

低く、しかし驚くほど優しい声が私の耳をくすぐった。

「ラディウス・アシュフォード王を夫とし、これを敬い、支え、一生……」
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