政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「ピクニックにしましょう。」

「ピクニック?」

「外で食べるのよ。お天気もいいし、気持ちがいいはずよ。」

私はそう言って、迷いなく馬車を降りた。

丘の向こうには広がる草原と遠くの山並み。

澄み渡る空の下で、二人で食べる昼食は、きっと忘れられない時間になる――そんな予感がした。

私とラディウスは、騎士たちの輪の中に敷かれた布の上に並んで腰を下ろした。

「気持ちいいわね。」

空を仰ぐと、雲ひとつない青が広がり、穏やかな風が髪を揺らした。

私は包みからサンドイッチを取り出し、そっとラディウスに差し出す。

彼は受け取ると、ためらいなくかぶりつき、静かに味わうように咀嚼した。

その様子を周囲の騎士たちが、どこか安心したような、温かいまなざしで見守っている。

きっと彼らも、急に決まった結婚に戸惑っていたのだろう。

それでも、こうして二人が並んでいる姿を見て、少しずつ受け入れ始めてくれているのかもしれない。
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