政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「ああっ!」

体が跳ね返り、シーツを強く握りしめた。

「我慢しなくていい……感じるままに、俺に身を委ねろ。」

低い声に導かれ、波が静かに、けれど力強く押し寄せてくる。

「ああっ! ダメっ……ラディウス……!」

限界に追い詰められた瞬間、体が大きく震え、甘い痙攣に飲み込まれた。

「リフィア……!」

名を呼ぶ声とともに、ラディウスの熱が一気に注ぎ込まれる。

「ああ……っ」

熱いものが私の中を満たし、込み上げる幸福感に涙が滲む。

強く抱きしめられ、二人の鼓動が重なり合う。

「……これからも、ずっと俺の傍に。」

耳元に落ちる囁きに、私はただ「はい」と答えることしかできなかった。

――初夜の夜、私は夫の愛に包まれながら、永遠を誓うように彼の腕に身を委ねた。

私は彼の汗ばむ肌に、恐る恐る指を絡めた。

「これが……子作りというモノなんですか?」

自分でも震えるほど幼い問いかけ。
< 37 / 54 >

この作品をシェア

pagetop