政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
するとラディウスは、真っ直ぐに私を見つめる。

「ただするだけじゃない。俺はリフィアに……気持ちよくなってもらいたい。」

かぁーっと顔が熱を帯びる。

「ど、どうして……そんなことを……」

「リフィアを愛しているからだ。」

――愛している。

その言葉が胸の奥深くまで響き、心を大きく揺さぶった。

「……でも、私……まだ“愛”とか、よく分からなくて……」

言葉にした途端、涙が滲んだ。私はまだ子供のままなのだと思う。

けれどラディウスは、優しく髪を撫でて囁く。

「それでいい。分からなくても、これから俺と一緒に知っていけばいい。」

そう言ってくれる彼の瞳が、眩しくて。

胸の奥がじんわりと温かくなり、知らず涙が頬を伝った。

「泣くな。もっと愛してやる。」

ラディウスがそう囁いた途端、再びお腹の奥に熱が流れ込む。

「ああっ……」

「そうだ……俺を感じろ。」
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