政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「っ……!」

羞恥で目をぎゅっと閉じる。

けれどラディウスの腕が、私をさらに強く抱きしめてきた。

「今日は公務はお休みだと伝えます。」

「助かる。」

扉が閉まる音。

ようやく息を吐いた私は、鼓動を抑えられずにラディウスの胸に顔をうずめた。

「ど、どうしよう……すごく恥ずかしい……」

「気にするな。皆、祝福してるだけだ。」

「でも……っ」

必死に抗議しようとした口を、ラディウスが軽く塞ぐ。

「俺はむしろ、嬉しい。」

その一言に、胸の奥まで熱くなった。

ラディウスの胸に身を委ねながら、私は熱に浮かされるように何度も名を呼んだ。

絡められた指先は、まるで離さないと誓う印のよう。

「……綺麗だ、リフィア」

幾度も重ねられる口づけに、心も体も溶けていく。

「リフィア、おまえは俺のモノだ」

その言葉に、胸が震えた。

かつて恋人にできなかったという誰かの影。けれど今は——私は彼の妻。
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