政略婚の妻に、王は狂おしく溺れる ―初恋の面影を宿す王妃―
「……もっと、奪って。」

自分でも驚くほど素直に零れた願い。

ラディウスの視線が熱を帯び、さらに強く私を抱きしめる。

その一瞬、彼の過去をすべて押し流してしまえる気がした。

「ラディウス……」

私は彼の名を震える声で呼んだ。過去の人影を、この心から取り去りたい。

「私を見て……」

首に腕を絡ませ、必死に求める。

「見てるよ。リフィアしか見えない。」

耳元に囁かれた声が熱く突き刺さり、頭の中が真っ白になる。

「リフィア、おまえだけだ!」

その言葉に、胸の奥で何かが弾けた。

過去の誰かではなく、今は私——そう確信できる。

彼の温もりに包まれるたび、私は自分の体が、彼だけを求めていることに気づく。

ラディウスの熱が流れ込み、溶け合っていく錯覚に、ただ身を委ねるしかなかった。

しばらくして、心地よい眠りについた。

目を覚ますと、まだラディウスは私の傍にいてくれる。

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