最強スパダリ吸血鬼が私を運命の人だと言って離してくれない！

彼の意外な発言に驚いていると玄関のドアが開く音がした。




「ただいま……あら？」




そこにいたのは見知らぬ女性。




でもすぐにかげくんのお母さんだと気づいた。





だって顔立ちがそっくりなんだもん。




「お、お母さん！？ こんばんは！」



私が慌てて頭を下げると、かげくんのお母さんはにこにこと上品に微笑んでいる。


「あらあら、あなたがひかりちゃんね。かげが女の子を連れてくるなんて初めてだからすぐにわかったわ。かげからよく聞いているの。とても大切な子だって」



「えっ……！？！？」



かげくんが私のことをそんなふうに言うなんて……



恥ずかしいかも……




「今日は一緒にご飯を作ってくれたの？」




「は、はいっ！ あの……私は少しだけで、ほとんどかげくんが全部……」


「ふふ、それでも嬉しいわ。ありがとう。将来、かげのお嫁さんに来てくれたら嬉しいわ」



「～～～～っ！！」




顔が一瞬で真っ赤になる。




親子で同じことを言うなんて恐るべし……



「ま、まぁ……先のことはどうなるかわからいですし……」




「俺はひかりと一緒にいたい。ずっと」



かげくん……



私も……



「……私もかげくんとずっと一緒がいい」



二人で顔を見合わせると、お母さんは満足げに笑う。



こんな日がずっと続けばいいな。




私は心の中でそっと願う。