最強スパダリ吸血鬼が私を運命の人だと言って離してくれない!
幼なじみの霞くんの様子が変……!
※ ※ ※
教室から出た私たちはそのまま校門を抜けて学校を出る。
その間も一言も発さずに、黙って歩いている霞くん。
霞くん、さっきから何も話してくれない。私が待たせすぎちゃったから怒ってるんだ。
謝らなきゃ……
「霞くんっ待ってっ霞くん!」
何度名前を呼んでも返事をしてくれない……
――こうなったら!!
「待ってって言ってるでしょっっ!!!」
私は足を止めて構えを作った。
そして掴まれていない方の腕で、霞くんの肩を思いっきり掴む。
「せいっ!」
霞くんの体が宙を舞う。
「……!ひか――」
(ふふ、驚いてる。でも、容赦なんてしてあげないんだから)
そのまま渾身の力で床に叩きつけると、ドサッという音とともに、霞くんが地面に転がった。
「ぐっ! いっってぇ……相変わらず強引だな」
私に背負い投げされたのが悔しいのか、霞くんは床に仰向けのまま目線を合わせてくれない。
「強引なのはどっち? 人の話もろくに聞かないで、何がしたいの?」
「……別に」
ふてくされているのか、それ以上は何も言わずに顔を背ける霞くん。
ここが道端の中でも狭い方でよかった。
通行人もいないし、何より子供やご老人の方たちがいないの本当にありがたい。
まぁたとえいたとしても、絶対その人たちに当たらない自信があるけどね。
「まったく、ひかりには叶わないな」
そう言ってゆっくりと地面から起き上がる。
その背中はなんだか本当に悔しそう見えた。
霞くんはムッとした表情を浮かべてパッパッと制服についたほこりや小石を払っている。
「そんなに悔しいの?」
「……当たり前だろ。早くひかりより強くなって、お前を――」
言いかけた途中で言葉を切る霞くん。
その声色はなんだかいつもより低くて、大人っぽいなって思ってしまった。
「霞くん? どうしたの?」
「お前を、まも……――なんでもねぇよ! それより、次は絶対負けねぇからな!」
「ふふ、相変わらず負けず嫌いだね、昔から」
「ちげぇよ、バカ……――もうすぐ体育祭だろ」
少しの沈黙を置いて、霞くんが言葉を続ける。
体育祭……もうそんな季節だっけ。
確か……毎年、気温がどんどん上がってきてるから、先生たちが時期を早めたんだっけ。
「だから……」
「だから?」
さっきから口をモゴモゴさせている霞くん。
言いたいことがあるならはっきり言えばいいのに。
霞くんは軽く深呼吸をしてから真っ直ぐ私を見つめた。
「――何かあったら俺が守るから」
霞くんの目はいつになく真剣で、その瞳は真っ直ぐ私に向けられていた。
そんなに見られると緊張しちゃうかも。
でも守るってどういう意味なんだろう?
霞くんが私を守る……体育祭で?
言葉の意味が気になった私は霞くんに直接聞いてみることにした。
「守るって……?」
霞くんはそっぽを向きながら、小さな声で呟く。
「ひかりが怪我しないようにとか……色々あるだろ。それくらい気づけよ……」
霞くんは相変わらずそっぽを向いて顔を赤くしている。
「ふふ、そういうことだったんた。ありがとう、霞くん。でも大丈夫! 私、強いから!」
「……ああ、そうだな。ひかりの強さは俺が一番よく知ってる」
フッと優しく微笑む霞くん。
その表情は夕日に照らされていて、とても眩しかった。
気づけば空の色が変わり、夕方から夜に変わっていた。
(霞くん、いつのまにかこんなに頼もしくなったんだ……)
「――ほら帰るぞ、送ってやるから」
「あ、もうこんな時間。家で稽古できなかったね」
「さっきのが稽古みたいなもんだろ」
「確かに、それもそうか」
私たちはお互い笑いあいながら帰路に着く。
教室から出た私たちはそのまま校門を抜けて学校を出る。
その間も一言も発さずに、黙って歩いている霞くん。
霞くん、さっきから何も話してくれない。私が待たせすぎちゃったから怒ってるんだ。
謝らなきゃ……
「霞くんっ待ってっ霞くん!」
何度名前を呼んでも返事をしてくれない……
――こうなったら!!
「待ってって言ってるでしょっっ!!!」
私は足を止めて構えを作った。
そして掴まれていない方の腕で、霞くんの肩を思いっきり掴む。
「せいっ!」
霞くんの体が宙を舞う。
「……!ひか――」
(ふふ、驚いてる。でも、容赦なんてしてあげないんだから)
そのまま渾身の力で床に叩きつけると、ドサッという音とともに、霞くんが地面に転がった。
「ぐっ! いっってぇ……相変わらず強引だな」
私に背負い投げされたのが悔しいのか、霞くんは床に仰向けのまま目線を合わせてくれない。
「強引なのはどっち? 人の話もろくに聞かないで、何がしたいの?」
「……別に」
ふてくされているのか、それ以上は何も言わずに顔を背ける霞くん。
ここが道端の中でも狭い方でよかった。
通行人もいないし、何より子供やご老人の方たちがいないの本当にありがたい。
まぁたとえいたとしても、絶対その人たちに当たらない自信があるけどね。
「まったく、ひかりには叶わないな」
そう言ってゆっくりと地面から起き上がる。
その背中はなんだか本当に悔しそう見えた。
霞くんはムッとした表情を浮かべてパッパッと制服についたほこりや小石を払っている。
「そんなに悔しいの?」
「……当たり前だろ。早くひかりより強くなって、お前を――」
言いかけた途中で言葉を切る霞くん。
その声色はなんだかいつもより低くて、大人っぽいなって思ってしまった。
「霞くん? どうしたの?」
「お前を、まも……――なんでもねぇよ! それより、次は絶対負けねぇからな!」
「ふふ、相変わらず負けず嫌いだね、昔から」
「ちげぇよ、バカ……――もうすぐ体育祭だろ」
少しの沈黙を置いて、霞くんが言葉を続ける。
体育祭……もうそんな季節だっけ。
確か……毎年、気温がどんどん上がってきてるから、先生たちが時期を早めたんだっけ。
「だから……」
「だから?」
さっきから口をモゴモゴさせている霞くん。
言いたいことがあるならはっきり言えばいいのに。
霞くんは軽く深呼吸をしてから真っ直ぐ私を見つめた。
「――何かあったら俺が守るから」
霞くんの目はいつになく真剣で、その瞳は真っ直ぐ私に向けられていた。
そんなに見られると緊張しちゃうかも。
でも守るってどういう意味なんだろう?
霞くんが私を守る……体育祭で?
言葉の意味が気になった私は霞くんに直接聞いてみることにした。
「守るって……?」
霞くんはそっぽを向きながら、小さな声で呟く。
「ひかりが怪我しないようにとか……色々あるだろ。それくらい気づけよ……」
霞くんは相変わらずそっぽを向いて顔を赤くしている。
「ふふ、そういうことだったんた。ありがとう、霞くん。でも大丈夫! 私、強いから!」
「……ああ、そうだな。ひかりの強さは俺が一番よく知ってる」
フッと優しく微笑む霞くん。
その表情は夕日に照らされていて、とても眩しかった。
気づけば空の色が変わり、夕方から夜に変わっていた。
(霞くん、いつのまにかこんなに頼もしくなったんだ……)
「――ほら帰るぞ、送ってやるから」
「あ、もうこんな時間。家で稽古できなかったね」
「さっきのが稽古みたいなもんだろ」
「確かに、それもそうか」
私たちはお互い笑いあいながら帰路に着く。