帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
「どうして泣くの?」

「だって……」

声が震える。

次の瞬間、暁宮様の腕が私を包み込んだ。

温もりが全身に広がり、心がほどけていく。

「嫌か。」

その問いに、私は思わず抱き返していた。

「いいえ……他の女人に任せるのは嫌です。」

暁宮様がわずかに目を見開き、真っ直ぐに私を見つめた。

「私も、他の人は嫌だ。」

気づけば唇が触れ合い、ふっと温かな吐息が混ざる。

一度、二度、そして何度も重なっていく。

「いいね。初めては……美琴としたい。」

「……はい。」

その返事をした瞬間、胸の奥の迷いも、神主の忠告も、すべて消えていた。

残ったのは、ただこの人を想う気持ちだけだった。
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