帝の唯一の女〜巫女は更衣となり、愛に囚われる〜
私は慌てて身を起こした。

「おはようございます。お加減はいかがですか?」

問いかけると、暁宮様はふっと柔らかな笑みを見せられた。

「ああ、今朝は具合がいい。……熱も下がったようだ。」

「よかったぁ。」

胸の奥から安堵があふれる。

そこで、まだ宮様と手を繋いでいることに気づいた。

「も、申し訳ございません……!」

そっと手を離すと、傍らの従者たちが顔を見合わせ、クスクスと笑った。

「ええっと、そなたは巫女だそうだね。」

微笑みを含んだ声に、胸が少し熱くなる。

昨夜、うなされていたはずのこの方が、もう私の名を覚えてくださっている――その事実が、不思議なほど嬉しかった。

「はい、宗法神社の巫女をしております。」

「夜通し介抱してくれていたと聞いた。」

「はい。……私の手には、癒しの力がありまして。それで呼ばれたのです。」
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