お兄ちゃん、すきだよ。



学校に着くと、まだ一般の人の立ち入り時間でもないのにたくさんの人で溢れていた。



校舎の外の広場には、いろいろな屋台が並び、もういい匂いがただよっている。



校舎の中は、展示やゲーム、フリマなどの出し物をするクラスが多く、みんな最後の仕上げを念入りに行っていた。





私のクラスの前に着く。



準備日には響き渡っていた、颯太と優の大きな声が、今日は聞こえてこない。




一呼吸おいて、教室のドアを開ける。




わいわいと騒ぐクラスメイトの中に、ポツンとうつむいている優の姿を見つけた。




優の目も、腫れてる。


私と同じで、泣きながら寝ちゃったの?




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