お兄ちゃん、すきだよ。



優はこっちに気が付いたみたいで、一瞬目が合った。


しかしすぐに、私のほうから目をそらしてしまった。





「春乃…!」



優が私のほうへ駆け寄ってくる。



「春乃、昨日は本当に…」


「ごめん、優。」




必死に話す優の言葉をさえぎるように、私は教室の中へ入って行った。





優のこと、シカトするみたいにしちゃった…。

でもまだ優と話す気にはなれない。

私って本当に、小さい人間なんだなぁ。




胸の奥が、ぎゅうっとしめつけられる思いだ。







それから桐丘先生の適当なHRが終わり、いよいよ文化祭がスタートした。





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