お兄ちゃん、すきだよ。



「春乃!そろそろ休憩入っていいよ!他のクラス回ってきたら?」




クラスメイトのひとりにそう言われた。


考えてみたら、朝から5時間ぶっ通しでお化けをやっている。



しかしずっとぼんやりしていたので、時間が経つのを忘れていたみたいだ。





「うん、じゃぁ少し休憩してくるね。」






本当ならばこの休憩時間に、優と颯太といろいろな所を見て回るはずだった。



しかし、仲の良い親友ふたりは、いま私の隣にはいない。





はぁ、と深いため息をつきながら、私は誰もいない屋上へと向かった。




文化祭なのに何やってるんだろ。


声にならないような小さな声で、つぶやきながら。



< 76 / 195 >

この作品をシェア

pagetop