お兄ちゃん、すきだよ。
「春乃!そろそろ休憩入っていいよ!他のクラス回ってきたら?」
クラスメイトのひとりにそう言われた。
考えてみたら、朝から5時間ぶっ通しでお化けをやっている。
しかしずっとぼんやりしていたので、時間が経つのを忘れていたみたいだ。
「うん、じゃぁ少し休憩してくるね。」
本当ならばこの休憩時間に、優と颯太といろいろな所を見て回るはずだった。
しかし、仲の良い親友ふたりは、いま私の隣にはいない。
はぁ、と深いため息をつきながら、私は誰もいない屋上へと向かった。
文化祭なのに何やってるんだろ。
声にならないような小さな声で、つぶやきながら。