Devil's Night
「何……これ……」
呆然とカイの顔を見たが、カイは涼しく笑っているだけ。
「美月は僕の子どもを生む。今度はふたりね」
そう言った彼は、何事もなかったように立ち上がり、うっとりと丸い月が輝く空を見上げて窓枠にもたれた。
――狂ってる……。
私はとにかくここを出ようと立ち上がったが、そのとき、下腹部に疼痛が走った。
「いた……」
体内から生温かい液体が流れ出るのがわかる。それは足の内側をトロリとすべり落ちた。
反射的に視線を落とした足首に、流れ落ちた黒い液体が付着している。靴の下にわだかまり、蠢いているその物体は、さっき口から吐き出したものに酷似していた。
「あ……あ……」
悲鳴すら出てこない。
私は気を失いそうになりながら、ふらふら外へ出て、外気に触れた途端、草むらに座りこんでいた。