Devil's Night
 
『美月は僕の子どもを生む』


その言葉が呪文のように頭の中で渦巻いている。


自分の全てが汚されたような気がして、恐怖と悲しみに体がふるえ、涙が込みあげる。


『美月』


そう呼ぶ声が聞こえた気がして、顔を上げると、廃墟の2階にカイの姿がある。


『愛してる』


 カイの声が鼓膜に蘇る。


「いやっ!」


 必死で立ち上がり、彼の姿が見えなくなる場所まで逃げた。
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