Devil's Night
振り払おうとした瞬間、眩暈のようなものを感じ、手足の力が抜ける。ただ、瞳だけはモニターに向いたまま、目を離せない。私の中に、カイに従おうとする誰かがいるみたいに。
――え?
何も操作していないのに、いきなりオンデマンドのモニターに映像が映し出され始めた。画面いっぱいの暗い空。その下の方がオレンジ色に染まっている。
夜の火事だ。炎が照らすレンガ作りの家並みと、石畳の道。逃げまどう人たちの服は時代を感じさせる。中世ヨーロッパを舞台とした映画でも見ているような気分だった。
知らない街のはずなのに、どこか懐かしいものを感じ、私はカイに肩をつかまれていることも忘れて、画面に見入っていた。