Devil's Night
 
 同じことを繰り返し考えながら、夜の歩道を歩いていた。


――陽人を死なせたくない……。でも……。


 健康な子どもの胸が切り裂かれ、心臓を摘出される場面を想像するだけで、全身が凍りつく。かといって、合法的な移植手術を受けられる国に渡航出来るだけの体力が陽人には残っていない。運よくアメリカにたどり着いたとしても、手術までもつかどうか……。

 
――一体、どうすれば……。


 できることなら私の心臓を陽人にあげたい。大人の心臓が3歳の陽人に適合しないことはわかっていながら、そう願わずにはいられなかった。




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