Devil's Night
 
 涙が枯れ果てた頃、窓の向こうに見える空が白み始めた。もう立ち上がる気力もない私は、床にうずくまり、壁に背中をもたれたまま、ぼんやり外を見つめていた。小鳥のさえずりが聞こえる。


 それからさらに時間がたった。


 突然、何の前触れもなく、『ガチャリ』とドアが開き、出て行ったときと変わらない笑みを浮かべたカイが私を見ていた。


「終わったよ」


 何でもないことのように彼が言った。


「ハルは!?」


 思わず彼にすがりついていた。


「1週間後には走り回れるようになる」


――よかった……。


 私は決して口にしてはいけない言葉を飲みこんだ。
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