Devil's Night
温かいゆりかごの中にいるような感覚があった。
「ん……」
重いまぶたを上げる。意識が戻った私は、カイの膝に頭を乗せ、床に横たわっていた。
「カイ?」
起き上がろうとすると、クラッと視界が舞い、頭の芯がズキリと痛んだ。その痛みで、失神する前の記憶が一気によみがえる。
「カイ! 助けて! 私……私……」
押しよせてくる恐怖の記憶に錯乱し、私はカイに抱きついていた。
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