Devil's Night
多分、カイが遊びで描いたものに違いない。
――他愛もないジョークだ。
そう思っていながら、胸騒ぎが止まらない。この不気味なマジックサークルに、どこか懐かしさのようなものを感じる。その懐かしさの正体を思い出そうとするのに、記憶の一部にロックがかかっているみたいに思い出せない。無理に思い出そうとすると、自分の中の何かが眠りから覚めてきそうな恐怖が邪魔をする。
――頭が痛い。
頭痛に襲われた私は、反射的に魔法陣から目をそらした。すると今度は、この廃墟で襲われたあの夜のことが次々と頭に浮かんでくる。
意識が戻ったとき、カイはひどく優しい表情をして私の髪を撫でていた。人を殺めた後とは思えないほど穏やかな顔で。
カイが、血の通った人間以外のものであるような気がしてならなかった。