恋を知らない恋愛小説家は、イケメン担当者と疑似恋愛をする
「先生の小説は本当に評価が高いです。それに締め切りも守ってくれますし、こういう風に会社のオフィスでの打ち合わせも二つ返事で頷いてくださいます。僕としても、できることはやりたいです」
「月森さん…」
仕事とはいえ、しっかり向き合ってくれる月森さんに泣きそうになってくる。SNSでの評判も嬉しいが、こうして目の前で褒めてもらえるのは別格の嬉しさがある。
「ということで、1つ提案があります。…僕と、疑似恋愛をしてみませんか?」
「え…?」
月森さんの言葉の意味が理解できず、きょとんとしてしまう。真面目な顔で提案されているのだが、あまりもの予想外の方向からの打診で一瞬理解できない。
「経験がないなら、経験をすればいいんですよ。主人公目線の経験をすれば、きっとリアリティのあるものが書けます。先生には書くだけの語彙力も技術もありますから。僕も先生の小説のために、全力で協力します」
月森さんの真剣な眼差しに、私はごくりと唾を飲み込んだ。彼の提案はあまりにも突飛ではあるものの、全て的を得ている。でも、
「私は問題ありません。でも……月森さんに業務外でご迷惑をおかけするわけには…」
「迷惑なわけないじゃないですか。僕は先生の担当編集者ですから。先生の小説が売れるためなら、何だってしますよ。それに、今は恋人居ませんので問題ありません」
「…身を切りすぎじゃないですか?」
「大丈夫ですよ。あ、でも、先生に気になる人がいるようでしたら止めておきますが…」
「い、いないです!だから…よろしくお願いしたいです」
私の言葉に、月森さんは嬉しそうに笑った。
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。頑張りましょうね」
こうして、私の『恋愛描写力向上プロジェクト』は、月森さんと二人三脚で動き出すことになった。
「月森さん…」
仕事とはいえ、しっかり向き合ってくれる月森さんに泣きそうになってくる。SNSでの評判も嬉しいが、こうして目の前で褒めてもらえるのは別格の嬉しさがある。
「ということで、1つ提案があります。…僕と、疑似恋愛をしてみませんか?」
「え…?」
月森さんの言葉の意味が理解できず、きょとんとしてしまう。真面目な顔で提案されているのだが、あまりもの予想外の方向からの打診で一瞬理解できない。
「経験がないなら、経験をすればいいんですよ。主人公目線の経験をすれば、きっとリアリティのあるものが書けます。先生には書くだけの語彙力も技術もありますから。僕も先生の小説のために、全力で協力します」
月森さんの真剣な眼差しに、私はごくりと唾を飲み込んだ。彼の提案はあまりにも突飛ではあるものの、全て的を得ている。でも、
「私は問題ありません。でも……月森さんに業務外でご迷惑をおかけするわけには…」
「迷惑なわけないじゃないですか。僕は先生の担当編集者ですから。先生の小説が売れるためなら、何だってしますよ。それに、今は恋人居ませんので問題ありません」
「…身を切りすぎじゃないですか?」
「大丈夫ですよ。あ、でも、先生に気になる人がいるようでしたら止めておきますが…」
「い、いないです!だから…よろしくお願いしたいです」
私の言葉に、月森さんは嬉しそうに笑った。
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします。頑張りましょうね」
こうして、私の『恋愛描写力向上プロジェクト』は、月森さんと二人三脚で動き出すことになった。