落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「そう? いつもありがとうね。じゃあ、お願いしてもいいかい?」

「はい! 任せてください。ハンナさんにはいつもお世話になってますから 」

「それじゃ、お塩と、あとはここに書いてあるのお願いね」

 ハンナさんに紙切れとお金の入った布の巾着袋を預かり、無くさないようにしっかりとポケットに仕舞った。

「では、行ってきますね!」

 今日はこれから自由時間になる。門限までに帰れば外出も自由だ。
 私はお世話になっているハンナさんのお手伝いすることが多い。食材は商人が数日置きに神殿に運び入れてくれているが、不足する物や急に必要になる物があるので、市場に買い出しに行くのだ。
 自室に戻り聖女服から普段着に着替えると、市場に向かった。


 神殿から石畳の緩やかな坂道を下ると神殿前広場があって、そこには屋台が建ち並んでいる。肉や魚、野菜の他にアクセサリーや日用雑貨など様々なお店があり、多くの人で賑わっていた。

 どこからかともなくお肉の焼けた良い匂いが漂ってくる。匂いを辿ると、串刺しのお肉を焼いているお店からだった。
 さっきサンドイッチを食べたばかりだけど、まだまだおなかに余裕はある。ふらふらと匂いに吸い寄せられそうになるのを必死で堪えた。
 いけないわ。お使いがあるんだから。
 垂れそうになるヨダレを拭いながら、気を引き締める。
 私はポケットに仕舞っていた紙と、巾着袋を取り出した。

「えっと、今日買うものは……」

 ドンッ!!

「えっ、きゃっ」
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