落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
後ろから急にぶつかられて、バランスを崩し転倒してしまった。バタバタと私の後ろから前方に走り去って行く若い男の後ろ姿を見た。
「う……、いてて……。なんなの……」
転んで打ち付けた膝を撫でていると、異変に気づいた。
「あれ? 巾着は?」
辺りを見回すが、地面には買い物用の籠と、ハンナさんから渡された紙しか見当たらない。
周りにいる人達が怪訝そうに見ているが、気にせず地面に這いつくばって必死に探す。
「ない、ない……。やっぱりない……。もしかして盗られた……?」
さぁっと血の気が引いていく。立ち上がろうとするが、足が震えて立ち上がれない。
どうしよう。さっきの男を追いかけなくちゃいけないのに。
じわりと涙が滲んできたその時、後方から風のように素早い人影が通り過ぎていく。
「!?」
その影は人混みに消えていった。
しばらくして人々が騒ぎ始めた。何が起こったのだろう。私はやっと立ち上がり、喧騒の方へ近づいていく。
「いててっ。クソッ、離せ!」
「連れていけ」
「はっ」
さっきぶつかってきた男に似ている男が、騎士様二人に両腕をガッチリと抱えられ、連行されていった。
残った一人のスラリとした長身の騎士様がこちらに向かって歩いてくる。
「これは君のか?」
「う……、いてて……。なんなの……」
転んで打ち付けた膝を撫でていると、異変に気づいた。
「あれ? 巾着は?」
辺りを見回すが、地面には買い物用の籠と、ハンナさんから渡された紙しか見当たらない。
周りにいる人達が怪訝そうに見ているが、気にせず地面に這いつくばって必死に探す。
「ない、ない……。やっぱりない……。もしかして盗られた……?」
さぁっと血の気が引いていく。立ち上がろうとするが、足が震えて立ち上がれない。
どうしよう。さっきの男を追いかけなくちゃいけないのに。
じわりと涙が滲んできたその時、後方から風のように素早い人影が通り過ぎていく。
「!?」
その影は人混みに消えていった。
しばらくして人々が騒ぎ始めた。何が起こったのだろう。私はやっと立ち上がり、喧騒の方へ近づいていく。
「いててっ。クソッ、離せ!」
「連れていけ」
「はっ」
さっきぶつかってきた男に似ている男が、騎士様二人に両腕をガッチリと抱えられ、連行されていった。
残った一人のスラリとした長身の騎士様がこちらに向かって歩いてくる。
「これは君のか?」