落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 私の身体のどこからから何かが弾け飛ぶような音が聞こえ、私の内側から眩いほどの白い光が溢れ出した。

「え……? 私……?」

 この魔力は何? 
 自分でも分からない。どんどん魔力が湧き上がってくる。周りの人達も皆、呆然とこちらを見つめていた。

「アイリス、貴方……、覚醒したのですね」

「覚醒……?」

 私の左の手の甲には見たことがない模様が浮かび上がっている。魔法陣とも違う、幾重にも花びらが重ねてられたような不思議な模様だった。

 これは、いったい……?

「その紋章は、真の聖女の証」

「し、んの聖女……?」 

「貴方ならきっと彼を救えますよ」

 大聖女様が優しく微笑み頷いた。
 私は自分から溢れ出る白く温かい光を手のひらに集め、ライオネル様に注ぎ込む。

 光に包まれたライオネル様の傷がみるみるうちに消えていく。

 お願い、目を開けて――。

 次の瞬間、長い睫毛が揺れ、ゆっくりと瞼が開かれた。

「! ライオネル様……!」

「ん……、ここ……は……? アイ……リス……?」

 金色の瞳が私を捉え、唇がゆっくりと私の名前を紡ぐ。

「うっ、よかったぁ……」

 私はライオネル様の胸に抱きついた。

「……君が、助けてくれたんだな……。ありがとう……」

 私の頭を大きく優しい手で撫でてくれる。

「うっ、お兄様ぁ、よ、よかったですわぁーん……」

 エリゼも泣きじゃくりながら、私とライオネル様に抱きついてきた。

「エリゼも、心配かけてすまなかった……」

 私達はしばらくの間、ライオネル様に抱きつきながら泣き続けた。

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