落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 だから、あの時大聖女様は神殿から出た方がいいと言ったんだ。私の為を思ってくれたのに、私は捨てられたと思ってしまった。

「大聖女様……、申し訳ありませんでした……、わたしっ……」

「私の方こそ、犯人に勘付かれないようにする為に、貴方を悲しませてしまって、ごめんなさい」

 私は大聖女様の優しい心遣いを知って、何度もかぶりを振った。

「いえ……、そんなことないです。ありがとうございました」

「未だ犯人は不明ですが、もしかしたら、貴方の魔力に畏怖した者の仕業かもしれません」

「どういうことですか?」

 大聖女様の言っている意味が分からず、首を傾げる。

「貴方は先代の大聖女様が自らお連れになった平民の聖女候補ということで、注目を集めていました。かなりの潜在能力を有すると予想したのでしょう。だからこそ、その能力を目覚めさせたくないと考えた。次期大聖女を狙うなら……ということです。まぁ私の憶測ですがね」

「なるほど……」

「でも貴方は覚醒し、かかっていた魔力抑制魔法を解いてしまいましたし、もう手出しして来ないと考えても良いでしょう」

「そうですか……、ならいいのですが」

 私は安堵して息を吐いた。

「それで話を戻しますが、夜会のパートナーです」

「あ、そうでした!」

「先程話しましたが、聖女は自由に相手を選べます。もちろん相手の立場や、気持ちもありますので、全員が……とはいきませんが。貴方にもいるのでしょ? パートナーになって欲しい方が」

「えっと……、それは……」

 大聖女様に微笑まれて、私は目を逸らす。頭に浮かぶのは一人しかいない。

「後悔のないように、ね」

「はい……」

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