落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
「飲み物でしたら、こちらはいかが? 果実水ですわ。フェリシティ様がオススメしてくださったのだけど、とっても美味しいらしいですわ」

 シャーロット様は持っていたグラスを差し出した。

「あ、はい、いただきます。ありがとうございます……」

 どういう風の吹き回しだろう? 
 警戒しつつグラスを受け取った。少し口に含むと、レモンの酸味と蜂蜜の甘みを感じた。
 あ、ホントだ、おいしい……。

 しばしの沈黙の後、シャーロット様がためらいがちに口を開いた。

「あの、あなたと二人で話したいのだけど、少しお時間くださらないかしら?」

「え? 二人で話……ですか?」

「えぇ」

 いつもの高飛車な彼女とは違って今日はしおらしいが、それはそれで何かあるのではと勘ぐってしまう。

「でも、ここから離れるのはちょっと……」

 ライオネル様の方を見ると、まだ二人はお話の最中だった。シャーロット様は私の視線の先を辿り、少し息を吐く。

「それでしたら、そこのバルコニーではいかが? あの場からでも直ぐに気付くと思いますわ」

 この場所からすぐ横にはバルコニーへの出入口があり、外にも灯りが照らされているので、ホールの中からでも外を確認できる。
 そこまで言われれば断れない。

「……はい、わかりました」

 気は進まないが、シャーロット様の話を聞くことにした。
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