落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 段々と息苦しくなり、視界が揺れてくる。

「はい、ここまで」

 フェリシティ様の声で、魔力を注ぐのを止めた。

「はぁ、はぁ……」

 足の力が抜けて座り込むと、フェリシティ様が聖魔石を確認してくれる。

「そうね。三割といったところかしら」

「さ、三割!?」

 マジですか……。頑張って注いだのに、たったの三割だなんて。私はショックで項垂れた。

「魔力量は少ないけれど、以前よりもコントロール出来ているわ。少し休んだら、もう一度やってみましょう」

「はい……。頑張ります」

 フェリシティ様に励まされながら、私は何回か聖魔石に魔力を注ぎ込む。魔力の容量を増やすために、限界まで魔力を出し切るという方法だ。
 本当は身体の成長と共に魔力は強くなっていくようだけど、私はあまり変化しなかった。それよりも魔力が出しづらくなった気さえする。
 子供の頃、わけもわからずアニーに魔法をかけていた時は、もっと軽く、溢れてくるような感覚がしたのに。

 
「じゃあ、今日はこれで終わりにしましょうか」

「は……、はぁはぁ……」

  魔力を使い果たし立てなくなった私は、フェリシティ様の言葉に頷くのもままならない。

「それでは回復魔法をかけてあげるわ」

 フェリシティ様は私に向かって暖かい光を注いでくれた。スッと身体にしみ込んでくる。

「ありがとうございます。もう大丈夫です」

 いつも訓練の後に回復魔法をかけてもらうのだが、あんなに重くて辛かった身体が一瞬で回復するなんて、毎回感動してしまう。
 こんなに魔力も強くて、それでいてお優しくて、フェリシティ様は私の憧れの存在だ。
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