落ちこぼれ見習い聖女は、なぜかクールな騎士様に溺愛されています?〜これ以上、甘やかされても困ります〜
 それからしばらく裏門の外の塀に寄りかかって待っていると、見覚えのある長身の人影が近づいてくる。
 ライオネル様だ! 来てくださったんだ!!
 恐縮する気持ちもあるが、素直に喜びで胸が高鳴った。

「待たせたな」

「ライオネル様、ありがとうございます。よろしくお願いします」

 なぜか気恥ずかしさが込み上げてきて、思いっきり頭を下げた。

「あぁ。じゃ行くぞ」

「はい!」

 スッと踵を返したライオネル様の背中を追いかけた。



 相変わらず市場は賑わいを見せている。

「フォーレン副団長、お疲れ様です」

「あぁ、ごくろう」

 市場の警備をしている騎士様が、ライオネル様に気づいて挨拶をした。
 そういえば最近騎士様をよく見る気がする。スリとかも多いって言っていたし、市場どうしたんだろう。今までそんなことなかったよね?

「ん?」

 どこからともなく食べ物の甘い香りが漂ってきたので、私は大きく息を吸った。
 最近は大聖女様やフェリシティ様がいらっしゃるからか、シャーロット様達の嫌がらせも一旦落ち着いている。だから昼食は食べてはいるが、夕方のこの時間になると小腹がすいてくる。

 いい匂いだな〜。なんだろう? どこか懐かしい香りだけど。
 辺りを見回してみると、揚げ菓子の屋台に目が止まった。

 揚げ菓子だわ! 懐かしい!
 私の故郷のマール村ではお祭りの時とか、特別な日だけに食べるお菓子だった。
 屋台に気を取られていたら、ドンッと前の人にぶつかってしまう。

「わっ、すみません」
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